変な旅?3

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変な日記集2




恋に落ちた(本当に落ちた)内藤君を休ませる為に



喫茶店に入った。




僕はコーヒーが苦手だ




しかし、コーヒーを頼んだ。





おかわり自由だからだ・・・





何時間でも居られるぜ!





なにせ、知らない人だらけだから恥も何もあったもんじゃないさ・・・

内藤君が目を覚ました。



『うう・・・・・・喫茶店?』


「おはよう内藤君、大丈夫?」


『ああ・・・昔、アラブの偉いお坊さんが恋を忘れた哀れな男にしびれるような香りいっぱいの
 琥珀色した飲み物を教えてあげたらしい・・・それを飲みたいな・・・』



「すいませーん、ビール一つお願いします」



『おい! 違うだろ!』


内藤君が暴れる、何が違うのだろう?


「だって琥珀色って言ったじゃないですか」


『・・・・・・近頃の若いモンは・・・』


「で、本当に怪我はないんですか?」



『ああ、大丈夫、ほれ!』


内藤君は元気に店内を飛び回った。









店から追い出された。

とぼとぼと道を歩く
内藤君は僕の前をぴょこぴょこ跳ねている


『この町のことは知ってるん?』
内藤君は背中で話し掛けてきた

「うん」
僕は背中に返した

『この町の人間はみんな辛そうか?』


「・・・・・・そうは見えないんだ・・・辛いはずなのに」


『・・・それが強さって事さ』


「・・・・・・そうなのかもね」


『皆で生きているんよ、この町の人間は・・・』


「そうだね、協力し合って、励ましあっていかなきゃね・・・今は」


『・・・限りある資源と限りある世界がさ、我慢って奴を教えたのさ』


「・・・・・・やせ我慢でも・・・・・・笑顔でいたいね」



『でも、限界は近いかもしれんよ?』



「え?」




内藤君はまだ背中を向けたままだった

一枚の張り紙を見た




やはり台詞が書いてある。




「我慢なんてするもんじゃない
   うずくまってないで立ち上がらなきゃ、手を伸ばさなきゃ
                        欲しいものは手に入らない」




何か・・・引っかかるものを感じた。




内藤君は背を向けたままだ。

電器屋の液晶フルフラット31型テレビが目に入った。


別にテレビが欲しいわけではない。


百貨店が集団に襲われたらしい。


皆が協力しあってるこの町でも、犯罪はあるのかと・・・僕は思った。


「ねぇ、内藤君・・・」


『人は弱いな・・・』



内藤君はチラと横目で僕を見た



僕は何だかやけに・・・・・・切なかった。

「ところで、何処で寝ようか・・・?」



『え? 宿無いん?』

内藤君は僕の肩に乗ってくんくんと鼻を鳴らした

『野宿にしては臭く無いな』


「いや、病院にいたし・・・」


『は? 入院?』

内藤君は足先から頭をジーと見た


『怪我無いじゃん』


「病気だったんです」



バサバサと内藤君は飛び立った


『うわ〜、病気持ち〜〜〜〜!』


と、捨て台詞を残しながら・・・



ひでぇ・・・

夕焼けの赤は燃えるような赤だった。


特にこれと言って特別では無い夕焼け


僕は初めて夕焼けを観た時どんな顔をしたんだろう。


笑ったのかな?

驚いたのかな?

怖がったのかな?

感動したのかな?


僕の記憶は薄っぺらで何も覚えてやしない


繰り返しに慣れて、普通に思えてしまうこの夕焼け


この夕焼けのように、慣れてしまって普通に思えてしまう事はたくさんありそうだ。



失う前に気付く事が出来るだろうか

全てと言わずほんの一握りの夕焼けだけでも

今夜は何とか宿がとれた・・・



カプセルホテルだが、宿は宿だ。


僕は幸運にも残った最後の小さな空間に体を滑り込ませ、明かりを消した。

少しお腹が空いているが何とか耐えれるだろう・・・最後に思った事はそんな事だった。



その日見た夢は、錠剤に入った僕を、僕が飲み込む、といった内容だった。



錠剤の中の僕は噛まないでくれ、と懇願し

飲み込む僕はどうせ結末は同じだよ? と不思議そうな顔をし錠剤を飲み込む。


真っ暗で狭い空間はどんどんと溶けていき、僕は僕の隅々まで浸透した。

しかし、僕は僕以上の拡がりは無いんだなと呟き、フッと消えた。


飲み込んだ僕は、苦そうな顔をして、「頑張るさ」と呟き布団に入った。



目を開けると朝が来ていた。

バイトを探そう・・・そう思った。

こんな生活していたら金がすぐ無くなりそうだ・・・

住み込みのバイトないかなぁ・・・

と、バイト情報誌で探していたら


研究を手伝ってくれる人募集。
住み込み・高額給付・三食提供
詳細は面接にて


あ・・・怪しい・・・


怪しすぎる・・・



が、他にめぼしいものも無いので・・・電話してみる



『坂道研究所』に・・・

プルルルルル

ガチャ


『ハイ、坂道研究所です』

「あの、雑誌の広告見たんですけど」

『ハイ、モルモ・・・研究お手伝いを――」


今、モルモットって言おうとしなかったか?


『では、お待ちしております』

ガチャ




ふ・・・不安だ。



このままボイコットしてしまおうか・・・ううむ



とりあえず、怪しそうだったらすぐ帰ろう・・・




立ち止まっては歩き、立ち止まっては歩き・・・坂道研究所に着いた。






意外と立派な造りの建物で少し安心した。



ふぅ・・・さて、話だけでも聞くか


僕は自動ドアをくぐり、受付まで行った。

『お電話の方ですね、こちらへどうぞ』


案内されてしまった・・・


健康状態などあれこれ訊かれ、なんか・・・採用されてしまった。


口座をつくり、前金でお金を振り込まれ、早速実験を開始されてしまった。





実験内容は



長時間睡眠




眠り続ける事で、体にはどのような変化が起きるのかといった実験だ。


眠ったまま風邪はひくのか、治るのか?

視力は低下するのか回復するのか?

髪の毛の成長に変化はあるのか?

等など・・・



無事に起きれるのか?

変なカプセルに押し込まれ、ガスが出た・・・





夢をみた


実験が終わった僕は筋力が低下していて起き上がることも手を握る事も出来ないといった夢だ。


実験中、電気を流し、筋肉の収縮運動はしているらしいのでそのような事は無いと聞いていたのだが



心の中の恐怖が現れたらしい・・・



早くも後悔をしている


僕はいつ目覚めるのだろうか・・・


一年後とかだったら洒落にならんな



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